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2014年6月30日 (月)

凄技 何時もながらNHKの工学的知識は中学生レベル

NHKの凄技という番組の予告編を見ました。

最先端の技術者と日本のトップレベルの職人がこまを作って競争すると言うのものです。
それを見てあきれはてました。
慣性モーメントを大きくすれば同じ回転数でも大きな(回転)エネルギーを持たせることができるのに最先端との研究者は円筒形みたいな物を設計しました。
慣性モーメントなんて知らなくてもこまは円盤みたいに平べったい方が有利なことは自明です。
比重の大きい高い材料を使っていましたが、慣性モーメントの事も知らない人が最先端の技術者とは先が思いやられます。
慣性モーメントは半径の3乗に比例しますので、質量が決められていれば半径を大きくすることになります。(結果薄くなる)
フィギュアスケートでスピンをするときに広げた腕を閉じれば回転速度があがります。ということは同じ回転エネルギーなら慣性モーメントを小さくすれば回転速度が上がることになります。したがって同じ回転数を与えられるなら慣性モーメントを大きくした方が有利なことになるということです。
(ニュートンの力学に多少興味を持たれたなら勉強してください。力学を理解するとフィギュアースケートだけでなくジャンプとかスポーツの見方も今までとは変わると思います)

また焼嵌めの説明は間違えていました。焼嵌めは外側のリングを暖め、内側の軸は冷やすのですが、はめたあと常温になった時には外側のリングは軸を締めるように設計します。
番組では常温になったときにすきまがゼロと言っていました。
また焼嵌めを最先端?の研究者が手で圧入していました。
二つの部品を嵌入するには平行度を保つ必要があり治工具を使わないと無理です。
ボールベアリングはすきまはめが多いのですが、それでも治工具を使わないと入りません。ちょっとでも傾くとひっかかってしまうのです。
一方熟練工も圧入の際にボール盤のドリルで圧入していました。ボール盤は使いますがドリルで圧入はあり得ません。
ドリルで圧入なんて誰に教わったのでしょう。我々の時代の高度な職人が見たら怒ります。(今は90歳位になっている世代です)
いつものことですが本当に工学が分かっている人間を工学的な番組のアドバイザーとしてやとうべきです。
また職人の製作しているこまの軸がテーパーになっていて問題との場面もありましたが、こまについては真円度が問題になるのでテーパーになっていても性能には関係ありません。
凄技という番組は日本の技術の高さを知らしめるための番組なんでしょうが、私から見ればNHKの科学知識の低さを露呈しているだけの恥ずかしい番組です。
私がこまを作るなら、材料は切削性の高い黄銅を使います。形状にはこだわります。
まさに空飛ぶ円盤みたいな形になるでしょう。

いくら高精度に作ってもダイナミックバランスが取れていることはあり得ませんので、調整します。
自動車のタイヤのダイナミックバランスはおもりをつけますが、逆にドリルでちょっと削れば良いのです。
本番の番組はどんなものか分かりませんが、私が設計し、それなりの町工場と一緒にやればよりよいこまができると思います。
良いものを作るには工学的な知見そしてそれを実現する職人芸です。

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コメント

コマの外形は50ミリ以内とルールで決められていたような

真鍮は豆腐のようなもので 柔らかいから精度を求めるのは無理かも 

切削より研削の方が精度が出ると思ってます

二つの部品を勘合する場合穴の奥に段差があって、段差にあたるまで入れれば平行は出ると思います

ダイナミックバランスの測定方法はないのでは?
なので出来る限り高精度に制作するのかも

常温になった時の隙間がゼロになったと言ってたけど、
アキシャル方向の隙間がゼロになったのであって ラジアル方向の隙間がゼロになったと言ったのではないと。

投稿: huku | 2014年7月 4日 (金) 23:36

外形が50mmと決められていたのは気が付きませんでした。

車のタイヤはダイナミックバランスを測定して調整していますが、その装置を超小型化すれば良いのでは。

私はダイナミックバランスが一番大きい要素だと考えています。

いくら高精度で加工してもダイナミックバランスはゼロにはなりません。

測定と切削を繰り返せばほぼゼロにできるので、そのほうがはるかに良いものができると思います。
ということで快削黄銅が向いていると思います。

ラジアル方向の間隙でなければリングと軸の温度差を取るのはどういう意味があるのでしょう。

尚、ゴルフボールの表面にはディンプルがあります。
またサメの表面もがさがさしており決して平滑ではありません。

こまの表面も平滑でないほうが空気抵抗が低い場合も充分ありうるのでは。

投稿: ふ み お | 2014年7月 5日 (土) 04:54

先ほどこの番組の後半が放送されました。
負けた方のこまは内部はアルミ製です。アルミの切削では精度があがりませんが。

こまの寿命は軸受けの部分より空気抵抗の方が大きいと考えていましたが、その通りのようです。

file:///C:/Users/fumio%20kadoo/Downloads/36%E5%B7%BB1%E5%8F%B747%EF%BD%9E53%20(1).pdf

あとオイルレスメタルとかのトライもあるべきだと思います。

尚、上記のサイトでは弥次郎兵衛のような重心が受け面より低いものの説明があります。

これならば回転が止まっても倒れないことになります。

受け面の直径が10mm、こまの直径の制限が50mmなら弥次郎兵衛型のこまを作ることができます。

こんなこまで勝っても面白くも何ともないですが。

投稿: ふ み お | 2014年7月 7日 (月) 17:31

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